日本人とアフリカ系アメリカ人の”HAFU”(ハーフ)の宮本エリアナさんがミス・ユニバース日本代表に選ばれました。ハーフが日本代表に選ばれるのは初めてのこと。そして、彼女は黒人の父を持つハーフ。ネット上では、彼女への批判的な書き込むが多くあるようです。この日本人の反応を受けて、エリアナさんへの海外メディアからの取材申込が殺到しているそうです。

しかし、日本のメディアはあまり話題にしていないのだとか。。。
実際、私たちもエリアナさんのことを知ったのは、BBCやCNNを見てのことでした。

エリアナさんは、2014年に一度ミス・ユニバースへの出場を勧められたのですが、その時には興味がなく断っています。しかしその後、自分と同じハーフの親しい友人が自ら命を絶ったことでした。白人の容姿をしながら英語が話せないとばかにされていたとか。「『日本に受け入れられてない気がする』と話していた友人のためにも、日本の世の中をちょっと変えたいと思った。ハーフに対する世間の見方を変えてもらいたい」と、今回のコンテストに挑戦されたそうです。

ネット上では、エリアナさんが日本代表に選ばれると「日本代表にハーフを選んではダメだ」「日本人らしくない」などといった心ない書き込みがされたようです。

日本で生まれて、日本で育ったエリアナさん。子供の頃は「学校ではゴミを投げ付けられたり、差別的な言葉を吐かれたりした。肌の色や髪の毛をからかわれ、クラスメートに同じプールで泳がないでと言われたこともある」そうです。ご両親は彼女が1歳のときに離婚されたため、お父さんに会ったのは高校に行くために渡米した時だとか。自分と同じ肌の色の人を見て、やっと安心したのも束の間、英語がうまく話せず、言葉の壁に衝突し、自分のルーツは日本なのではないかと考えるようになったとか。

話は少し変わります。私の長男は今カナダで高校に通っていますが、カナダに渡って以来、自分のアイデンティティについて考えることがよくあるようです。彼は、日本人の目には全体的にかなり白人ぽく見えるようですが、カナダ人から見ると髪や瞳の色はこげ茶色だし、顔立ちや肌の色はアジア人、でも身長192センチの体型はアジア人ではない、と言われるようです。幸い幼い頃からの英語教育のお陰で、カナダでの学校の勉強には困らず、入学後も友達がすぐにできたため、エリアナさんが感じたような疎外感を強く感じることはないようですが、子供時代のすごし方がみんなとは全く違うため、常識だと思っていることがお互いに通じなかったり、話題についていけないことはあるようです。

日本人であるということを意識する場面はよくあるといいます。学校で歴史の授業で第2次世界大戦について学習しているときのこと。日本の戦争への関与が話題になる度に、クラスのみんなが一斉に自分の方を見てくる、と言っていました。

結局、カナダで勉強し生活することで、「自分は日本人である。日本のことについてもっと知らなければ」と、とても強く思うようになったようです。でも、人生の大半を過ごした懐かしい日本に帰ってくると、見た目で外人扱いになってしまいます。今回のエリアナさんのニュースを見て、我が子の葛藤を改めて考えます。

宮本エリアナさんは、ネットでの日本人による批判的書き込みや、多くの海外メディアからの取材から、彼女の主張が日本内外から注目されていることを冷静に受け止めているようです。

批判がなかったら、逆に私が出る意味がなかったんじゃないかと思う。批判は無視せず、その人たちの考えを変えられるような活動をしたい」とエリアナさん。

外見と中身のギャップや、自分のアイデンティティの確立に苦しむHAFUの人たちの立場を理解してもらえるよう、また、さまざまな形で残っている差別意識がなくなるよう、宮本エリアナさんの今後の活躍に期待します!

宮本エリアナさんに関する産経新聞記事です。

This is an New York Times article about Ariana. 
日本にいるハーフに関する近日公開予定のドキュメンタリーの予告です。